ケフレックス小児用顆粒の服薬指導 朝夕食後!嚙まない!置かない! 

薬剤師 田中

ケフレックス小児用顆粒の服薬指導をできるようにするよ!

今日は、ケフレックス小児用顆粒(成分名:セファレキシン)を極める回です。

目次

調剤・鑑査について

まずは、処方が問題ないことを確認しましょう。
何かにつけ、迷ったら、添付文書!

禁忌は過敏症とセフェム系抗菌薬過敏症の既病歴のある人。

用法用量は25~50㎎/kgを1日2回朝夕食後に分割して服用します。
セファクロル顆粒には、胃溶性顆粒と腸溶性顆粒が3:7で含まれており、
素早くそして長く効く薬となっているため、1日2回の服用となっています。

食後の理由としては、空腹時に服用すると、血中濃度が上昇するからです。
下の図はインタビューフォームから参照しています。

L-ケフレックス顆粒 L-ケフレックス小児用顆粒 医薬品インタビューフォーム P24より抜粋

なぜ、空腹時で急激に血中濃度が高くなるのか。
インタビューフォーム上、特に記載はありませんでしたが、
私は、原因は消化管運動、専門用語でいうと、
胃内容排出速度(GER)が関係していると思います。

胃内容排出速度(GER)とは、
食べ物が胃から小腸に排泄されるまでの速度を言います。
食べ物があると、胃の中で消化されるため、これがゆっくりになります。

ケフレックスは胃溶性顆粒と腸溶性顆粒が含まれているお薬のため、
空腹時に飲むと、腸用顆粒もすぐに体の中に吸収されてしまい、
血中濃度が急激に上昇するのではないかと考えられます。

また、不均等投与(朝2包、夕1包など)の場合は、
基本的には不均等投与は推奨されていないため、
25~50㎎/kgの間で朝夕の包数が同じにしなくてよいか、
医師に疑義照会した方が良いでしょう。

服薬指導について ①飲ませ方

飲み方の注意点は以下2点です。
・嚙まない事!
・混ぜたらすぐ飲む!(溶けません)

・嚙まない事!
先ほども説明したとおり、ケフレックスは徐放性コーティングがされているため、嚙んではいけません。(添付文書にも書かれてます)
嚙むと、血中濃度が”急激に”上昇する可能性があります。

L-ケフレックス顆粒 L-ケフレックス小児用顆粒 添付文書


・混ぜたらすぐ飲む!(溶けません)
添付文書には、「懸濁したまま放置しないように」と明記されています。

L-ケフレックス顆粒 L-ケフレックス小児用顆粒 添付文書

すなわち、飲み物と混ぜるのはOKですが、すぐに飲むということです。

ちなみに味に関しては、大体なんでもOKです。
牛乳やジュースと一緒でもOKです!
ちなみにオススメは、アイス(特にハーゲンダッツのアイス)です(笑)

ただ、ここで問題が一つ。それは、溶けないという事です。
お父さん・お母さんは大体と溶かそうと奮闘されますが、溶けません!
お湯でも溶けません!
添付文書にも「懸濁」とある通り、顆粒の粒はどうしても残ります。

したがって、素早く混ぜて、飲んでもらってます。このとき、底に溜まらないうちにガッと飲むのがコツです。もしくは、粉薬を直接口に入れて、水やジュースで飲んでもらいます。

コップで服用できない時は、スポイトを切り、吸い口を大きくして、顆粒が入るように調整することを提案しています。

薬剤師 田中

服薬指導の際、実際に一回飲んでもらうのも有りです!
(その際はバナナなどを食べさせてから飲んでもらってください)

服薬指導について  ②副作用

副作用については、色々あるのですが、ココでは大きく、アレルギーと下痢について話します。

①アレルギー
薬物過敏症による副作用です。基本的に飲み始めてすぐ(~1週間)に起こることが多いです。
「この薬を飲んで、息苦しそうとか、肌がぶわっと赤くなったりしたら、すぐにナースコールしてください」
と私はお伝えしています。

②下痢
薬理作用による副作用です。飲んでいる間、およびその後しばらくは起こる可能性があります。
「このお薬は菌に効くお薬ですが、お腹の中の良い菌にも効いてしまって、お腹の調子が乱れることがあります。ビシャビシャの水っぽい下痢の時はすぐにナースコールしてください。下痢の頻度が多いときもお知らせください」
とお伝えしています。

下痢で一番怖いのは脱水です。
水溶性下痢の場合、脱水になる可能性が出てくるため、早急に対処が必要です。
(整腸剤の処方を医師に相談することも良いと思います。)

最後に

いかがだったでしょうか?
なるほど!って思ったところや、知らなかった!と驚いたところはぜひ参考にしてみてください!

明日から、ケフレックス小児用顆粒の指導を胸を張ってできていることを願っております!

薬剤師 田中